01こんな課題に
- 受注メールの内容を読み取り、販売管理システムに1件ずつ手で入力している
- Webフォームの問い合わせを、顧客台帳やスプレッドシートにコピー&ペーストしている
- 書き方がバラバラなメールは、従来のRPAだけでは自動化できなかった
- 転記ミスや入力漏れが、後工程の確認作業を増やしている
事例11
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02仕組みの全体像
受注メールやWebフォームの内容をAIに渡し、会社名・品番・数量・納期などの項目に整理させます。結果はスプレッドシートの「確認リスト」に並び、担当者が内容を確認して承認します。承認された行だけを、RPAが販売管理システムや顧客台帳の画面に入力し、処理結果やエラーをリストに書き戻します。RPAは決まった操作、AIは文章の読み取りと判断の下書き、最終確認は人、という役割分担です。
Gmail / Outlook・Webフォーム受注メールや問い合わせを受信
→ChatGPT / Claude本文から項目を抜き出し、不明点を「要確認」として整理
→Googleスプレッドシート / Excel抽出結果を確認リストに1件1行で追加
→担当者原文と見比べて内容を修正し、承認欄にチェック
→RPAツール承認済みの行を販売管理システム・顧客台帳に入力
→RPAツール登録結果・エラーを確認リストに書き戻し、担当者に通知
03構築の手順
対象の転記作業を選び、手順を書き出す
毎日発生していて、件数が多く、入力先の画面がほとんど変わらない作業から選びます。「どのメールを開き、どの項目を、どの画面のどの欄に入れるか」を、画面のスクリーンショット付きで手順書にします。この手順書が、AIへの指示とRPAの設定の両方の土台になります。
RPAとAIと人の役割分担を決める
書き方が決まっていない文章を読む部分はAI、決まった画面への入力はRPA、内容が正しいかの判断は人、と分けます。新規顧客か既存顧客かの判定など、判断を含む部分はAIに「候補」を出させ、決めるのは人にします。すべてを自動化しようとせず、例外は人が処理する前提で設計します。
AIで本文から項目を抜き出す
メール本文やフォームの内容をAIに渡し、項目ごとに決まった形式で返すよう指示します。読み取れない項目は推測で埋めず空欄にさせることが、後の確認を楽にするポイントです。取引先名や品番は、マスタの一覧を一緒に渡して照合させると表記がそろいます。
登録前に確認リストを挟む
AIの抽出結果をいきなりシステムに登録せず、スプレッドシートの確認リストに並べます。原文へのリンク、抽出結果、要確認の内容、承認欄、RPAの処理結果欄を用意し、担当者は承認欄にチェックを入れるだけにします。
RPAで登録操作を作る
RPAツールで、確認リストの承認済みの行を読み、販売管理システムや顧客台帳の画面に入力する操作を記録・設定します。入力先のシステムにCSV取り込みやAPIがある場合は、画面操作よりそちらの方が安定しやすいので、先に確認します。画面のレイアウトが変わるとRPAが止まることがあるため、システムの更新予定も把握しておきます。
エラー時の手順を決めて少しずつ広げる
RPAが途中で止まった場合に、どの行まで登録されたかを確認リストで分かるようにし、残りを手作業で処理する手順を決めておきます。最初は1つの取引先や1種類のフォームに絞って2〜4週間運用し、エラーの傾向を見てから対象を広げます。
04そのまま使える指示文
受注メールから登録用の項目を抜き出す指示文です。{{ }}の部分を自社の内容に置き換えて使ってください。
あなたは受注入力の担当者です。以下の受注メールを読み、販売管理システムに登録するための項目を次の形式で出力してください。
【取引先名】取引先マスタにある名称で
【取引先の担当者名】
【明細】品番 / 数量 / 希望納期(YYYY-MM-DD) を1行ずつ
【納品先】
【顧客区分の候補】既存 / 新規の可能性あり(理由も1行で)
【要確認】読み取れない・判断できない点と、その理由
注意:
- メールに書かれていない項目は推測で埋めず、空欄にして【要確認】に書いてください
- 品番・取引先名は以下のマスタと照合し、一致しないものは原文のまま【要確認】に入れてください
- 価格や納期の可否は判断しないでください
---
取引先マスタ:
{{取引先名の一覧}}
品番マスタ:
{{品番・品名の一覧}}
受注メール:
件名:{{件名}}
差出人:{{差出人}}
本文:
{{本文}}
05人が確認するポイント
AIは下書きと整理を担当し、判断と最終確認は人が行う設計にしています。
- AIの抽出結果は担当者が原文と見比べて承認し、承認された行だけをRPAが登録する
- 「要確認」の項目や、新規顧客かどうかの判定は、人が確認してから登録する
- RPAの処理結果を毎日確認し、確認リストの件数とシステムに登録された件数が一致しているかを照合する
- 入力先システムの利用規約や社内ルールで、RPAによる操作やアカウントの使い方が認められているかを確認し、RPA用アカウントの権限は必要最小限にする
- 顧客情報をAIに渡すため、利用するAIサービスのデータの取り扱い(学習に使われない設定か)を確認する
06効果の測り方
導入前に次の指標を1〜2週間記録しておくと、導入後の変化を比べられます。
| 指標 | 測り方 |
|---|
| 1件あたりの転記時間 | 受信から登録完了までの時間を、導入前後で数日分サンプルで記録 |
| 入力ミス・登録漏れの件数 | 後工程で見つかった転記ミスや漏れを月ごとに記録 |
| RPAが止まった回数と原因 | エラーの発生日時と原因(画面変更・データ不備など)を確認リストに記録 |
試算例:1日30件の受注メールを1件6分かけて転記している場合、1日3時間、月20日で約60時間かかっています。AIの抽出結果を確認して承認する形にして1件1.5分にできれば月約15時間になり、約45時間を削減できます。実際の効果は、メールの書式のばらつき、入力先システムの仕様、RPAの停止頻度、ツールの利用料金によって変わります。
本資料は、Curioが自社業務や支援の中で扱っている業務テーマをもとに、一般的な構成と手順をまとめたものです。各ツールの機能・料金は変更されることがあるため、導入時に最新の情報をご確認ください。