2026.10.01 更新|著者:平山真梨花

ChatGPTで業務効率化する方法
業務別の使い方とプロンプト例

ChatGPTで業務効率化を進めるなら、メール返信や議事録の要約など、担当者が正しさを確認できる仕事から始めるのが近道です。この記事では、業務別の具体的な使い方、そのまま使える指示文のテンプレート、個人利用から社内導入へ進めるときの確認点までをまとめます。

この記事の結論ChatGPTは「思いついたときに質問するツール」ではなく、入力・条件・出力形式を決めた業務テンプレートとして使うと成果が安定します。まずは下書き・要約・分類など人が確認できる仕事から始め、効果が見えた業務を会社のルールと仕組みに載せていきます。回答はそのまま使わず、事実・数字・固有名詞を担当者が確認します。

ChatGPTで業務効率化できること・苦手なこと

ChatGPTが力を発揮するのは、「材料はそろっているが、文章や表に整えるのに時間がかかる」仕事です。反対に、正解を外部の事実や社内の最新データに頼る仕事は、そのままでは苦手です。

得意なこと

  • 文章の下書き、言い換え、トーンの調整
  • 長い文章の要約、論点の抜き出し
  • 自由記述の分類、タグ付け、表への整理
  • 構成案、たたき台、アイデアの列挙
  • 確認観点やチェック項目の洗い出し

苦手なこと・注意が必要なこと

  • 最新の価格・在庫・制度など、変わる事実の断定
  • 社内システムにしかない情報を前提にした回答
  • 契約・労務・税務・医療などの専門判断
  • 正確な計算や大量データの集計の丸ごと任せ
  • もっともらしい誤り(事実と異なる内容)の自己検出

つまり、ChatGPTを業務で使うときの基本は「考える材料は人が渡し、形を整える作業をChatGPTに任せ、最後の判断は人が行う」という分担です。この分担を前提に、次の章で具体的な業務を見ていきます。

ChatGPTで業務効率化できる仕事12選:業務別の使い方

中小企業で取り組みやすい業務を、使い方と人が確認すべき点に分けて整理しました。自社で頻度が高いものから1つ選ぶと、効果を確かめやすくなります。

業務ChatGPTの使い方人が確認する点
1. メール返信受信メールと伝えたい要点を渡し、返信文の下書きを作る。丁寧さの調整や、断りのメールの言い回しにも使える日程・金額・約束内容、宛名と敬称
2. 議事録の要約会議メモや文字起こしから、決定事項・未決事項・タスク(担当と期限)を抜き出す発言の取り違え、決定と検討中の区別
3. 提案書の構成顧客の課題と自社の提供内容を渡し、章立てと各ページの要点を作る実績・数値・価格の記載、顧客固有の事情
4. 社内文書の要約規程、マニュアル、長い報告書を「誰が・何を・いつまでに」の形で要約する例外条件や但し書きの抜け
5. アンケートの分類自由記述の回答をカテゴリに分け、件数の多い意見と代表的な声を整理する分類基準のぶれ、件数の集計結果
6. 求人票・採用文面仕事内容や条件をもとに求人票の下書き、スカウト文、面接日程の連絡文を作る労働条件の正確さ、差別的な表現がないか
7. FAQ作成過去の問い合わせやマニュアルから、よくある質問と回答案を作る回答の正しさ、案内してよい範囲
8. SNS投稿伝えたい内容から投稿案を複数パターン作る。媒体ごとの文字数や雰囲気に合わせて書き分ける誇張表現、権利・表記ルール
9. 表データの整理表記ゆれの統一、項目の分割、一覧表の形式変換、関数の書き方の相談変換漏れ、数値の改変がないか
10. 問い合わせ対応問い合わせ内容を分類し、社内の回答ルールに沿った返信案を作る個別事情、対応してよい内容か
11. マニュアル作成作業手順のメモや口頭説明の文字起こしを、手順書の形に整える手順の順番、現場での実際の運用
12. 調査・比較の下準備比較するときの観点や質問リストを作る。集めた情報を比較表に整える情報の出典と最新性

文章を「ゼロから書く」時間を減らす業務

メール返信、求人票、SNS投稿、提案書の構成は、白紙から書き始める時間を短くできる代表例です。ポイントは、伝えたい要点や事実を箇条書きで渡すことです。要点を渡さずに「いい感じに書いて」と頼むと、一般論ばかりの文章になり、手直しの手間がかえって増えます。

長い情報を「読む」時間を減らす業務

議事録や社内文書の要約、アンケートの分類は、読む・まとめる時間の削減につながります。要約は「決定事項」「タスク」「懸念点」のように出力の枠を決めておくと、毎回同じ形で受け取れます。分類は、最初にカテゴリの定義を渡し、どこにも当てはまらないものは「その他」に入れるよう指示すると、結果が安定します。

情報を「整える」時間を減らす業務

FAQ作成、マニュアル作成、表データの整理は、散らばった情報を決まった形にそろえる仕事です。表データは、数値そのものを書き換えさせない指示を入れ、変換後に件数や合計が元データと一致するか確認します。大量の集計や計算は、表計算ソフトの関数やツールと組み合わせるほうが確実です。

良い指示文(プロンプト)の型:役割・目的・前提・出力形式・制約

ChatGPTの業務での使い方に差が出るのは、ほとんどが指示文の書き方です。担当者ごとのばらつきを減らすために、次の5つの要素で指示文を組み立てます。

役割

「あなたは中小企業の営業事務担当です」のように、どの立場で書くかを指定します。文体や視点がそろいます。

目的

「取引先に納期遅延をお詫びし、新しい納期を伝える」など、何のための文章・作業かを一文で書きます。

前提

読み手、これまでの経緯、使ってよい事実や資料を渡します。前提が少ないほど、ChatGPTは推測で埋めようとします。

出力形式

メール文、箇条書き、表(列名を指定)、文字数など、受け取りたい形を具体的に書きます。

制約

「渡した情報以外の事実を加えない」「不明な点は推測せず【要確認】と書く」「誇張表現を使わない」など、守ってほしい条件を書きます。

特に効果が大きいのは制約の「不明な点は推測しない」です。ChatGPTは情報が足りないときにもっともらしく補ってしまうことがあるため、わからない箇所を目に見える形で残させると、確認作業が楽になります。

そのまま使える業務別プロンプトテンプレート

ここからは、社内でコピーして使える指示文のテンプレートです。{{ }}の部分を自社の内容に差し替えて使います。顧客名や個人情報は、社内ルールで認められた環境以外では入力しないか、伏せ字に置き換えてください。

テンプレート1:メール返信の下書き

あなたは{{会社名}}の{{部署・役職}}です。
以下の受信メールへの返信文を作成してください。

# 目的
{{例:見積もり依頼へのお礼と、提出日の連絡}}

# 伝えたい要点
- {{要点1}}
- {{要点2}}

# 受信メール
{{受信メール本文(個人情報は伏せ字)}}

# 条件
- 丁寧だが簡潔に、300字程度
- 要点にない約束・日程・金額は書かない
- 不明な点は【要確認】と書く

テンプレート2:議事録の要約とタスク抽出

以下は{{会議名}}のメモです。
社内共有用に整理してください。

# 出力形式
1. 会議の目的(1行)
2. 決定事項(箇条書き)
3. 未決事項・持ち越し(箇条書き)
4. タスク一覧(表:内容/担当/期限)

# 条件
- メモにない内容は加えない
- 担当や期限が不明なものは「未定」と書く
- 決定と検討中を混同しない

# 会議メモ
{{会議メモまたは文字起こし}}

テンプレート3:提案書の構成案

あなたは{{業種}}向けの提案書を作る営業担当です。
次の情報をもとに、提案書の構成案を作ってください。

# 顧客の状況・課題
{{課題を箇条書きで}}

# 自社が提供できること
{{サービス内容・進め方}}

# 出力形式
- 全{{8}}ページ程度の章立て
- 各ページのタイトルと、載せる要点を2〜3行
- 顧客に確認すべき質問を最後に5つ

# 条件
- 実績や数値は創作せず「(実績を記入)」と空欄にする

テンプレート4:アンケート自由記述の分類

以下は{{アンケート名}}の自由記述回答です。
次のカテゴリに分類してください。

# カテゴリ
{{例:価格/品質/接客/納期/その他}}

# 出力形式
- 表:回答番号/カテゴリ/要約(20字以内)
- 最後に、カテゴリごとの件数と代表的な意見を2つ

# 条件
- 1つの回答に複数の内容があれば、主な1つを選ぶ
- 判断に迷うものは「その他」に入れ、理由を書く

# 回答
{{回答番号つきの回答一覧}}

テンプレート5:求人票の下書き

あなたは{{会社名}}の採用担当です。
次の情報から、{{掲載媒体}}向けの求人票の下書きを作ってください。

# 募集情報
- 職種:{{職種}}
- 仕事内容:{{具体的な業務}}
- 働き方:{{勤務地・勤務時間・休日}}
- 求める人物像:{{経験・スキル}}

# 出力形式
見出しごとに、仕事内容/1日の流れの例/
この仕事の魅力/応募条件 の順で書く

# 条件
- 給与・待遇は渡した情報のみ記載する
- 性別・年齢などで応募者を限定する表現を使わない

テンプレート6:FAQ(よくある質問)の作成

以下の問い合わせ履歴とマニュアルをもとに、
{{顧客向け/社内向け}}のFAQを作成してください。

# 出力形式
- 質問と回答のセットを{{10}}個
- 回答は200字以内、根拠にした資料名を末尾に書く

# 条件
- 資料に書かれていない回答は作らない
- 資料で判断できない質問は「要確認リスト」に分ける

# 資料
{{問い合わせ履歴・マニュアルの抜粋}}

テンプレートは一度で完成させる必要はありません。実際に使って手直しが多かった箇所を条件に書き足していくと、だんだん社内の基準に近い出力になります。良かった出力例を一緒に保存しておくと、新しく使い始める人の参考にもなります。

効果の見積もり方:時間と修正量を記録する

ChatGPTの業務効率化の効果は、業務の量と、手直しにかかる時間で大きく変わります。導入前に、対象業務の「1件あたりの時間」と「月の件数」を記録しておくと、効果を判断しやすくなります。

試算例:メール返信の下書きに1件10分かかっていて、月150件ある場合、月1,500分(25時間)です。ChatGPTで下書きを作り、確認と修正に1件4分かかるとすると月600分(10時間)となり、差は月15時間程度になります。実際の効果は、業務の内容や確認の手間によって変わります。

記録するのは作業時間だけでなく、「そのまま使えた割合」「大きく直した割合」も含めます。手直しが多い場合は、指示文の前提や制約が足りていないか、そもそもChatGPTに向かない業務である可能性があります。

個人で使う段階から、会社として使う段階へ

ChatGPTの社内導入は、多くの場合「詳しい社員が個人で使っている」状態から始まります。成果が見え始めたら、会社として使う段階へ進むための準備をします。

個人で試す

機密情報を扱わない業務で、使い方と効果を確かめます。良かった指示文を記録しておきます。

チームで型をそろえる

1部署・1業務に絞り、共通のテンプレートと確認手順を決めて2〜4週間ほど試します。

会社として環境とルールを整える

利用するプランやアカウント管理、入力してよい情報、確認の責任者を決め、対象業務を広げます。

法人向けプランを検討するときに確認すべき点

ChatGPTには個人向けのプランのほかに、チームや企業向けのプランが提供されています。名称・機能・料金は変わることがあり、契約プランによって条件も異なるため、検討時は提供元の最新の公式情報で次の点を確認してください。

確認する観点具体的に確認すること
データの取り扱い入力した内容がAIの学習に使われるか、その設定を誰が管理できるか。会話データの保存期間や削除の方法
管理機能管理者がメンバーの追加・削除をできるか。退職者のアカウントを止められるか。利用状況を確認できるか
ログイン・認証会社のアカウントでログインを管理できるか(シングルサインオン等への対応はプランにより異なります)
共有の仕組みテンプレートやカスタム設定をチーム内で共有できるか、共有範囲を制御できるか
費用1人あたりの月額・年額、最低契約人数、契約期間。使わない人の分まで払うことにならないか
契約・規約利用規約、データ処理に関する条件、問い合わせ窓口。必要に応じて社内の法務・専門家に確認

費用は、全社員分を一度に契約するより、効果を確かめた部署から段階的に広げるほうが無駄を抑えやすくなります。

社内ルールを先に決めておく

会社として使うなら、少なくとも「入力してよい情報・いけない情報」「出力を確認する人と観点」「社外に出す前の承認」「困ったときの相談先」の4点は文章にしておきます。ルールの作り方とひな形は、生成AIの社内ガイドラインの作り方で詳しく解説しています。法令や契約に関わる部分は一般論にとどまるため、最終的な判断は専門家に確認してください。

使い方を社内に広げる段階では、部署ごとの実際の業務を題材にした研修が効果的です。法人向けAI研修では、自社のテンプレート作りまでを一緒に進められます。

ChatGPTの業務活用がうまくいかない原因と対策

指示があいまい

「いい感じにまとめて」「メールを書いて」だけでは、一般的で使いにくい出力になりがちです。役割・目的・前提・出力形式・制約の5要素で指示し、良い出力例を1つ添えると精度が上がります。

出力を確認しない

ChatGPTはもっともらしい誤りを含むことがあります。数字、日付、固有名詞、約束事項は元資料と照合します。確認項目をチェックリストにして、テンプレートとセットで共有します。

入力してはいけない情報を入れてしまう

顧客の個人情報、取引先との契約内容、未公開の業績や人事情報などは、会社として認めた環境とルールの範囲でのみ扱います。迷う情報は伏せ字や仮名に置き換えます。

使う人が一部に偏る

使い方が個人の工夫にとどまると、詳しい人が異動・退職したときに止まります。テンプレートと出力例を共有の場所に集め、業務手順の一部として組み込みます。

向かない業務に使っている

最新情報の調査や正確な集計など、ChatGPT単体では苦手な業務で試して「使えない」と判断してしまう例があります。最初は下書き・要約・分類から始めます。

効果を測っていない

「なんとなく便利」のままだと、費用や社内展開の判断ができません。導入前後の作業時間と手直しの量を、短い期間でもよいので記録します。

ChatGPTだけでは足りない場面:他ツールとの連携と仕組み化

チャット画面での利用は手軽な反面、毎回コピー&ペーストが必要で、担当者が手を動かさないと何も進みません。次のような状態になったら、ChatGPT単体ではなく、業務ツールとの連携や仕組み化を検討する段階です。

たとえば、会議の文字起こしを自動で要約してNotionやSlackに共有する仕組みは議事録の自動作成と共有の事例で、社内マニュアルをもとに質問に答える仕組みは社内FAQボットの事例で紹介しています。ほかの業務の例はAI活用事例の一覧にまとめています。

どの業務をChatGPTで十分とし、どこから仕組み化するかの線引きは、業務の量や使っているツールによって変わります。社内だけで判断が難しい場合は、業務の整理から伴走するAI顧問のような外部支援を使う方法もあります。

ChatGPTで業務効率化を始めるためのチェックリスト

  • □ 対象業務を1つに絞り、1件あたりの時間と月の件数を記録した
  • □ その業務の「良い成果物」の例を3〜5件集めた
  • □ 役割・目的・前提・出力形式・制約を含むテンプレートを作った
  • □ 「不明な点は推測しない」制約を入れた
  • □ 出力を確認する人と、確認する項目(数字・日付・固有名詞など)を決めた
  • □ 入力してよい情報・いけない情報を社内で共有した
  • □ 利用するプランのデータの取り扱いと管理機能を確認した
  • □ テンプレートと良い出力例を共有の場所に保存した
  • □ 2〜4週間後に、時間と手直しの量で効果を振り返る日を決めた
  • □ 連携や自動化が必要な業務を、次の候補としてメモした

よくある質問

Q. ChatGPTの無料版でも業務効率化はできますか?

文章の下書きや要約など、機密情報を含まない業務であれば試すことはできます。ただし、会社の情報を扱う場合は、データの取り扱いや管理機能を確認したうえで、会社として認めたプランと環境を使うことをおすすめします。

Q. 社内導入はどの部署から始めるのがよいですか?

メールや資料作成など文章の業務が多く、効果を測りやすい部署が向いています。部署よりも「頻度が高く、人が確認できる業務」を基準に選ぶと、成果を判断しやすくなります。

Q. プロンプトは社員それぞれに任せてよいですか?

個人の工夫は大切ですが、よく使う業務は共通のテンプレートにしておくと品質がそろい、新しく使う人も始めやすくなります。良い指示文と出力例を共有の場所にまとめておく運用がおすすめです。

Q. ChatGPTの回答が間違っていた場合はどうすればよいですか?

回答はあくまで下書きとして扱い、社外に出す前に担当者が確認する流れを作っておきます。誤りが出たときは、指示文に前提や制約を追加し、同じ誤りが起きにくいようにテンプレートを更新します。

Q. ChatGPT以外の生成AIと比べてどれを選ぶべきですか?

ChatGPT、Claude、Geminiなどはいずれも文章作成や要約に使えます。選ぶときは性能だけでなく、普段使っている業務ツールとの相性、データの取り扱い、管理機能、費用を比べて判断します。

Q. 社員向けの研修は必要ですか?

使い方そのものは難しくありませんが、指示文の型や入力してはいけない情報、確認の手順を全員がそろえて理解しておくことが定着につながります。短時間でも、実際の業務を題材にした研修を行うと効果的です。

無料相談実施中

AIで、どの業務がどれだけ楽になるか。
30分で一緒に整理します

  • 自社の業務の中で、AIで効率化できるところが分かる
  • 何から始めるか、進め方と費用の目安が分かる
  • 補助金を使えるかどうかも、その場で確認できる
無料相談の空き日程を見る

所要30分・費用はかかりません|カレンダーから1分で予約できます

まだ相談するほどでは…という方は、3分の無料AI活用診断から。

株式会社Curio 代表取締役 平山真梨花
代表取締役 平山 真梨花がお話を伺いますヤフー株式会社で新規事業開発に携わり、2024年に株式会社Curioを設立。自社サービスの運営で得たAI活用の実践をもとにご提案します。